タリファ (Tarifa)
大西洋のコスタ・デ・ラ・ルス(光の海岸)に面し、ジブラルタル海峡を挟んでモロッコと対峙している. 夜にタリファの明かりが対岸で確認できるほどである. ヨーロッパ大陸の最南端であるタリファ岬も自治体内に含まれる.
タンジェ=タリファ間をフェリーの定期便が往復しており、およそ20km北東のアルヘシラスとの間をバス路線が結ぶ. セビリアはおよそ200km北にある. タリファ近郊の海岸には、アフリカ大陸からの不法移民がしばしば上陸する.
タリファは夏期の間人気のある観光地である. 日照時間が長く、小さな町でフレンドリーな雰囲気があることから、多くの子供の野外活動や、夜には大人たちの催しが開かれる. 近年、北欧の人々が夏を過ごす人気の場所となっている.
タリファ港近くに、保存状態の良い城、グスマン城(タリファ城とも)がある. この城は、1296年にアロンソ・ペレス・デ・グスマン(メディナ・シドニア公家の先祖)が息子をムーア人の捕虜にされても開城を拒んだことで知られている. タリファの海岸は、海峡の強風が吹くためウィンドサーファーやカイトサーファーに人気がある. このために、タリファは100もの風力発電のタービンが点在する. また、春と秋にジブラルタル海峡を渡るコウノトリなど、渡り鳥観察に適した場所でもある. 14kmの幅がある海峡では、クジラ・イルカの観察もできる.
タリファは時に、タリフ(tariff)という言葉の発祥の場所とされる. これは港のドックを利用する商人に対して課金する、史上初の港であったからである. また別の説もあり 、アラビア語のta'rïfを語源とすると指摘するものがある. タリファという名前そのものは、ベルベル族の戦士タリフ・イブン・マリクから生じたものである.